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私が療育施設を選ぶときに重視した5つのこと

kiriyamayu

「うちの子に合う療育施設って、どうやって見つければいいんだろう?」

うちの息子が発達障害グレーゾーンと言われて、すぐ私の頭に浮かんだのは療育でした。

ネットの情報から、発達障害の子供は療育に行くのがいいとわかりましたが、実際にどうやって決めるのか分からず不安でした。

この記事では、3つの施設を見学して「ここにしよう」と思えたまでの私の体験をもとに、選ぶときに意識した点や迷ったポイント、見学時の息子の反応などを詳しくご紹介します。

同じように悩んでいる方の、参考になれば幸いです。

どうして療育施設を探すことになったのか

きっかけ

息子が生後7か月のとき、かかりつけ医から「首すわりが遅いので大きな病院に行ってください」と言われ、総合病院を紹介されました。

それ以降、定期的に通院しながら発達検査を受け続けています。

4歳のときに行った発達検査とPARS(自閉症判別尺度)の結果から、息子が自閉スペクトラム症のグレーゾーンとわかったのです。

この発達障害グレーゾーンと診断されたときのことは、別記事に詳しくまとめていますので、関心のある方はぜひご覧ください。

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当時抱えていた不安

「発達障害の子どもは療育に行くといいらしい……」

「早期療育が大切って聞くけど、実際には何をすればいいの?」

そうした疑問を抱いていた私は、担当医に「療育に行ったほうがいいですか?」と尋ねました。

しかし返ってきた答えは「療育ねぇ……。それより習い事とかしてみたら?」というもの……。

意図はよくわかりませんでしたが、そのときは医師のいうとおり、習い事を探して息子を通わせてみました。

そこで出会った先生は、発達障害の子どもの指導に慣れていて、初めは教室を走り回っていた息子も、しだいに落ち着いてレッスンを受けられるようになったのです。

その先生から「療育に行くのもいいと思います。本人が困っている部分を丁寧に見てくれて、信頼できる先生に出会えればもっと安定するはずです」とアドバイスを受け、息子が5歳のときに療育施設を探し始めました。

発達障害グレーゾーンに療育は必要?

診断名がつけばスムーズに療育サービスを利用できますが、グレーゾーンの場合は利用するかどうかは子どもの特性によります。

とはいえ、「行くかどうか迷う」と感じている親御さんには、一度見学に行くのをおすすめします

実際の取り組みや施設の雰囲気を見れば、「自分の子どもに必要かどうか」の判断がしやすくなるでしょう。

療育施設をどうやって探したか

療育とは

療育とは何か、LITALICOジュニアでは以下のように説明されています。

療育(発達支援)とは、障害のあるお子さまやその可能性のあるお子さまに対する、個々の発達の状態や障害の特性に応じた困りごとの解決、将来の自立や、社会参加を目指すための働きかけのことです。

出典:LITALICOジュニア 療育(発達支援)とは

就学前は「児童発達支援」、就学後は「放課後等デイサービス」と呼ばれます。

息子は5歳のときに児童発達支援施設を探しましたが、そのときは決まらず、小学校入学後に放課後等デイサービスを再び探しました。

どうやって探すか

知り合いを頼る

隣の自治体で療育施設を経営している知人に相談したところ、私の住んでいる自治体でおすすめの施設を紹介してもらえました。

施設職員に聞く

見学時に児童発達支援管理責任者から「他におすすめの施設」や「空き状況」などの情報がもらえることもあります。

施設の特徴や支援内容も教えてもらえるので、選ぶ際の参考になりました。

相談支援事業所を利用する

障害児支援利用計画案の作成や、困りごとの相談ができます。

空き情報が得られる場合もありますが、最新情報は各施設へ直接確認しなければなりません

市役所等で情報収集

特定の施設を勧めることはありませんが、施設の一覧が記載された冊子をもらえる場合があります

冊子に送迎の有無などの情報が載っているととても参考になるので、一度市役所等に確認するのがよいでしょう。

ネットやパンフレットで調べる

ブログやInstagramなどで普段の子どもたちの様子が見られる施設であれば、どんな雰囲気かイメージできます。

ただ、施設によってはサイトがあっても情報が少なかったり、そもそもサイトがなかったりして、情報を集めるのに苦労しました。

実際に探してみると

地方在住のため施設数が少なく、選択肢が限られていました。

私自身が平日働いているので、送迎サービスの有無は重要な条件です。

空きがある施設は少なく、遠方まで探す必要がありました。

見学のためにバスの時間を調べ、仕事を調整しながら複数の施設に足を運ぶのは簡単ではありません。

実際に見学できたのは3か所のみでした。

実際に見学して感じたこと

A施設|雰囲気はいいが、保育園との両立が難しい

知人の紹介で訪問。

職員は丁寧に私の話を聞き、息子の特性に合わせた具体的なアドバイスをしてくれました

壁にはスケジュール表など視覚的な工夫がされており、子どもたちも楽しそうに過ごしていました。

しかし「週3回以上の利用をお願いしています」と言われ、保育園との両立が難しく感じました。

空きがなく、送迎サービスもなかったため、契約には至りませんでした。

B施設|空きはあるが、しっくりこない

相談支援事業所から紹介された新設施設を見学。

清潔感はあるものの、物が少なく支援内容がイメージしにくくて安心感が持てませんでした。

また、職員とのコミュニケーションにも不安を感じ、送迎の仕組みも親と職員の接点が少なく不安が残りました

結果として契約には至らず……。

C施設|息子が気に入った

小学校入学後、癇癪が増えたため再び施設探しを開始。

家から近いC施設に見学へ。

アットホームな雰囲気で、職員も丁寧な対応でした。

息子も楽しそうに過ごし、帰るのを嫌がるほどでした。

職員とのやり取りや支援の説明もわかりやすく、息子自身が「毎日行きたい!」と言ったので、この施設に決めました。

「ここに決めよう」と思えた理由

どこの施設も、そもそも空きがなければ利用できません。

待機している子どもも多く、「ここがいい!」と思ってもすぐには通えない場合もあります。

それでも子どもに合う施設を探したいと思う親は多いでしょう。

私も「空きがあるならどこでもいい」とは思えませんでした

結果として、私が施設を決める際に重視したのは、以下の5つのポイントです。

  1. 送迎があるかどうか
  2. 施設の雰囲気
  3. 職員が信頼できるか
  4. 子どもが楽しく通っている姿がイメージできるか
  5. 空きがあるか

送迎があるかどうか

私は働いているため、施設から送迎がないと通わせられません。

送迎の有無は最重要ポイントでした。

施設によって送迎できる範囲が決まっているので、事前に電話で確認しました。

施設の雰囲気

見学の際には、子どもたちが楽しそうに過ごしているか、職員がどんな対応をしているかを注意深く観察しました。

息子には楽しく通ってほしいので、施設を気に入るかどうかも重視しました。

無駄なものがなくシンプルな環境を好む子もいますが、息子は楽しくてワクワクする場所が好きです。

おもちゃがたくさんあり、季節ごとにイベントが行われている施設は印象的でした。

子どもが見やすく、理解しやすい張り紙などの視覚支援がある施設にも好感を持ちました。

職員が信頼できるか

親への説明と実際の活動内容に違いがないか、虐待などが行われていないかは、実際に通ってみないとわかりません。

それでも、職員とのコミュニケーションが取りやすいか、信頼できそうな人かどうかは見学時にある程度判断できます。

他の職員の態度や、子どもへの接し方を観察するのも良い判断材料になります。

子どもが楽しく通っている姿がイメージできるか

施設の職員が学校へ迎えに行き、子どもはそのまま施設へ向かいます。

親が付き添わない分、子どもには嫌がらずに通ってもらわなくてはなりません

子どもが楽しく通えるかどうかは、親にとっても安心材料になります。

.空きがあるか

当然ながら、空きがなければ通えません。

スポット利用としてキャンセルが出た日に入れてもらう方法もありますが、待機している子どもが多い場合は、他の施設も検討するのが良いかもしれません。

私が相談支援事業所の職員に聞いたところ、「空きが出るまで本命とは別の施設に通っている子もいる」と言われました。

空き状況はタイミングによって変わります。

特に4月の進級や進学時期は動きがあるので、その時期に合わせて動くのがおすすめです。

療育施設を探している方へ伝えたいこと

子どものために施設を探すのは大変です。

  • どんな支援が受けられるのか
  • 内容は子どもに合っているか
  • 子どもが気に入ってくれるか

施設のリストを前に「どうやって選べばいいのか」と途方に暮れる親御さんも多いと思います。

親が一件ずつ電話して空きを確認する作業は、心が折れそうになるほど大変です。

私自身、何度も探すのをやめたくなりました。

迷うのは当然

施設に電話しても、ほとんどが満員。

空きがあっても、しっくりこないこともあります。

「空いていればどこでもいい」と割り切るのは簡単ではありません。

それでも探し続けていくうちに、「どんな施設に通わせたいか」「子どもに合いそうか」が少しずつ見えてきました

子どもと自分の気持ちを大切に

最終的に大事なのは、子どもが施設を気に入るか、親自身が通わせたいと思えるかです。

「ここはなんだか違う気がする」と思ったら、無理に納得させなくてもいいのです。

もちろん、最初は不安でも通っていくうちに印象が変わるかもしれません。

不安な点は相談支援事業所の職員と話しながら、子どもの様子を見て柔軟に対応していきましょう。

正解じゃなくてもいい

療育施設は一度決めたら終わりではありません。

「失敗できない」と思う必要はないのです。

通ってみて「やっぱり合わない」と感じたら、別の施設に変えられます。

相談支援事業所がサポートしてくれるので、まずは通わせてみるのも一つの方法です。

「できればベストな施設を選びたい」と思うのは当然ですが、悩みすぎて動けなくなるよりは、迷いながらも一歩踏み出すのが大切だと思います。

我が家も施設選びにかなり時間がかかりました。

息子に合うかどうかは通ってみないとわかりませんが、時間をかけて選んだ施設なので、私も息子も通うのを楽しみにしています。

ABOUT ME
桐山 由宇
桐山 由宇
主婦ライター
発達障害グレーゾーンの息子を育てる日々の記録を綴っています。知識を深めるために児童発達支援士と発達障害コーディネーターの資格を取得しました。同じ悩みを持つ方々と共感やヒントを共有できたら嬉しいです。
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