発達障害グレーゾーンと言われたとき、どう向き合えばいい?

お子さんが発達障害グレーゾーンと言われたとき親としてどう向き合うか、多くの家庭が直面する悩みだと思います。
診断がつかないからこそ、支援の範囲や対応があいまいで、どう接すればいいのかわからなくなりますよね。
グレーゾーンの子どもたちは、一人ひとりが無限の可能性を持っています。
適切な支援を受けながら、お子さんの特性を理解し、強みを伸ばしましょう。
そして親自身も無理をせず、利用できる制度や柔軟な働き方を取り入れれば、子育てと仕事を両立しやすくなります。
この記事では、発達障害グレーゾーンの子どもを育てる親が知っておきたい支援制度の活用法や、仕事との両立の工夫について具体的に解説します。
お子さんの未来を前向きに描くためのヒントを、一緒に探していきましょう。
息子が発達障害グレーゾーンと言われた……
「発達障害のグレーゾーン」と言われたときの不安
お医者さんからお子さんが発達障害やグレーゾーンと言われて、不安になっていませんか?
「うちの子はもしかしたら発達障害かも」と心配して病院を受診した親も多いと思います。
同じ月齢の子ができることをお子さんができないと、不安になりますよね。
発達には個人差があると分かっていても、「本当に大丈夫なのだろうか」「もうしばらくしたら、うちの子もできるようになるのだろうか」と心配になるのは当然です。
息子が「発達ゆっくり」と言われた体験
私の息子は生後7ヶ月のとき、かかりつけ医から「首の座りが遅い」と指摘され、総合病院を紹介されました。
検査結果から息子の発達がほかの子よりもゆっくりだとわかり、定期的に受診するようになりました。
4歳のときに受けた発達検査とPARS(自閉症判別尺度)で、自閉スペクトラム症のグレーゾーンだと担当医から言われました。
以前から癇癪がひどく、こだわりも強い息子を見て「発達障害では?」と疑っていましたが、実際に医師の口から自閉スペクトラム症という言葉を聞いて、涙が止まりませんでした。
発達障害のグレーゾーンとは?診断されないけれど……
発達障害のグレーゾーンとは、診断基準を満たしていないものの、発達障害の特性がある状態を指します。
診断基準を満たしていないとはいえ、親が子育てしづらい事実に変わりはありません。
子ども自身も発達障害の特性があるがゆえに、他人とのコミュニケーションに困難を感じたり、差別を受けたりする可能性もあります。
「うちの子はこれからずっと生きづらさを抱えて、生きていかなければならないのか。幸せになれるのだろうか」
「私はこの子をきちんと育てられるのだろうか」
そんな不安に押しつぶされそうでした。
情報収集しても不安ばかり……試行錯誤の毎日
私は、さまざまな情報を集め、本を読み、どうすればいいのかを考えました。
しかし、調べれば調べるほどわからなくなり、不安は強くなるばかり。
本の通りにやっても、うまくいかず「自分がダメな母親だからだ」と自分を責めて落ち込んでいました。
子どもの成長を信じて
それでも癇癪がひどかった3~4歳のころに比べると、息子はゆっくりと成長しています。
現在5歳になり、以前よりも自分の気持ちを説明するのがうまくなり、お手伝いも進んでやるようになりました。
不器用で苦手だったハサミも上手に使えるようになり、丸もきれいに描けるようになりました。
前は知らない人に声をかけられると私の後ろに隠れていましたが、今では近所の人に自分からあいさつしたり、店員さんに「これ何?」と質問したりするようになりました。
このブログを読んでくださっている方の中にも、お子さんが発達障害だと言われて悩んでいる方がいらっしゃるでしょう。
お子さんが発達障害かもしれないと疑っている方も、いらっしゃるかもしれません。
でも、大丈夫です。
お子さんの未来を悲観する必要はありません。
ゆっくりかもしれませんが、お子さんは毎日少しずつ成長しています。
お子さんの特性を理解し、さまざまなサポートを活用しながら、一緒に成長していきましょう。
発達障害グレーゾーンの子どもと親を支える希望と具体策:可能性を信じ、支援と働き方を活用する方法
発達障害グレーゾーンの子どもにある無限の可能性とは?
発達障害の特性から苦手なことが多いとしても、お子さんの将来に絶望する必要はありません。
「うちの子は友達とうまく関われない」
「勉強についていけない」
そんな風に、お子さんの苦手な部分ばかりが気になってしまうかもしれません。
ですが、お子さんならではの個性や特技を伸ばしてやれば、お子さんの可能性は大きく広がります。
発達障害といっても、その特性はさまざまです。
代表的なものには、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、限局性学習症(SLD)があります。
発達障害の主な特性
自閉スペクトラム症(ASD) のお子さんは、
- こだわりが強い
- あいまいな表現が苦手
- 自分のペースを維持したい
といった特徴があります。一方で、
- 人の意見に流されない
- 高い記憶力を持つ
- 好きなことにひたすら取り組む
といった強みもあります。
注意欠如・多動症(ADHD) のお子さんは、
- 不注意が多い
- 落ち着きがない(多動性)
- 衝動的に行動してしまう
といった特徴があります。しかし、
- 独創的なアイデアを生む
- 行動力がある
という長所もあります。
限局性学習症(SLD) のお子さんは、
- 文字を読むのが苦手
- 文字や文章を書くのが苦手
- 数字や記号の認識が苦手
といった特性を持っていますが、
- 視覚的な把握が得意
- 物事の法則性を見つける力がある
という強みもあります。
発達障害によって特性に偏りがあったとしても、お子さんの得意な部分を伸ばしてやれば、将来の可能性が広がるでしょう。
発達障害を持つ有名人も多数活躍
実際に、発達障害の特性を活かして成功している人はたくさんいます。
例えば、
- 米津玄師”さん(自閉スペクトラム症)
- スティーブ・ジョブズさん(注意欠如・多動症)
- トム・クルーズさん(限局性学習症)
他にも、多くの有名人が発達障害の特性を活かして活躍しています。
「うちの子がそんな有名人になれるとは思えない……」と感じるかもしれません。
もちろん有名にならなくても、自分の特性を活かして働いている人はたくさんいます。
好きなことを追求する力が未来をつくる
私の息子は仮面ライダーが大好きで、毎日仮面ライダーの本を読み、動画を見ています。
毎日息子の話を聞いていると、その知識の深さに驚かされます。
おそらく、保育園の同じクラスの子たちよりも仮面ライダーに詳しいでしょう。
この仮面ライダーへの愛が将来どうつながるかはわかりませんが、好きなものをとことん追求する力は、必ず何かの役に立つはずです。
あなたのお子さんは、何が好きですか?
何が得意ですか?
お子さんの「好き」や「得意」を伸ばしてやれれば、それがお子さんの自信につながり、将来の可能性が広がるかもしれません。
きっと、お子さんは自分らしい未来を築いていけます。
発達障害グレーゾーンの親が知るべき支援制度とその活用法
「発達障害グレーゾーンと言われても、どうすればいいのだろう……」
お子さんが発達障害グレーゾーンだと言われても、誰に相談すればいいのかわからず、不安に感じる親は多いと思います。
私自身、息子が発達障害グレーゾーンと診断される前から、市の福祉課の子育て支援窓口にいる保健師さんに、息子の発達について相談していました。
たとえ愚痴のような内容でも、保健師さんは親身になって話を聞き、アドバイスをくれました。
息子の担当医から発達障害グレーゾーンと言われたとき、改めて保健師さんに連絡しました。
そして支援学級やペアレントトレーニングについて教えてもらい、相談専門員さんとの面談の予約をとってもらいました。
現在も3〜4か月に1回くらい保健師さんから「最近どんな様子ですか?」と連絡してくれます。
そんな経験から、発達障害グレーゾーンと言われた際に相談できる主な窓口をご紹介します。
相談できる窓口
お子さんが発達障害と診断された場合、または病院受診前でも発達に気になる部分があれば、以下の窓口に相談できます。
- 発達障害者支援センター(各都道府県や政令指定都市に設置)
- 市区町村の福祉課
- 子育て支援センター
- 児童相談所
- 地域の相談支援事業所
専門のスタッフが対応してくれるため、適切な支援を受けるための第一歩として活用するとよいでしょう。
発達支援サービス(療育)を受けるには?
発達障害の診断があれば療育手帳の申請ができますが、グレーゾーンでは申請できません。
しかし診断の有無にかかわらず、発達支援サービス(療育)を受けられます。
早期に支援を受けると、効果が出やすいと言われています。
そのため少しでも気になる部分があれば、相談窓口へのお問い合わせをおすすめします。
支援施設の選び方と注意点
自治体によっては発達支援施設の空きが少なく、すぐに利用できないケースもあります。
私の住んでいる地域でも施設に空きがなく、順番待ちの状態でした。
施設を選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- 自治体や施設に空き状況を確認する
- 施設を見学し、支援内容をチェックする
- お子さんに合う支援が受けられるか確認する
施設ごとに支援の内容や方針が異なるため、実際に見学してお子さんに合うかどうかを判断することが重要です。
「療育が必要かわからない」場合は?
「うちの子に療育が必要なのかもよくわからない……」という場合は、発達支援施設の見学をおすすめします。
実際にどのような支援をしているかを知れば、お子さんに必要なサポートがイメージしやすくなります。
利用を迷っている状態だとしても、快く対応してくれる施設が多いため、気軽に問い合わせてみましょう。
相談窓口や支援制度を積極的に活用し、適切なサポートを受けて、お子さんがより生きやすい環境を整えていきましょう。
子育てと仕事を両立!親を助ける多様な働き方
発達障害の特性を持つお子さんを育てる親にとって、育児と仕事の両立は大きな課題です。
トラブル対応や送迎などで時間の制約が多く、希望通りに働くのが難しいケースが少なくありません。
しかし近年では在宅勤務やフレックスタイム制度の普及により、柔軟な働き方を選びやすい環境が整いつつあります。
お子さんとの時間を確保しながら、親自身のキャリアや生活を大切にしていきましょう。
仕事と育児の両立に関する実態
LITALICO発達ナビが行った、発達が気になるお子さんを育てるママへのアンケートでは、以下の結果が出ています。
現在働いている … 66%
働いていないが、働きたいと思っている … 19%
働いていない … 15%
この結果からも、多くの親が仕事と育児を両立しようと努力しているのがわかります。
一方で、「働きたいのに働けない」と感じている人が一定数いるのも課題です。
柔軟な働き方を取り入れる工夫
発達障害やグレーゾーンのお子さんを育てる家庭では、親がサポートに多くの時間を割く必要があります。
そのため以下のような柔軟な働き方を取り入れると、育児と仕事の両立が可能になります。
在宅勤務を活用する
リモートワークができる職種を選んで通勤時間を削減し、子どものサポートにあてる時間を確保できます。
時短勤務を利用する
短時間勤務制度を活用して勤務時間を調整すれば、子どもの療育や学校行事に対応しやすくなります。
夫婦で役割分担する
家事や育児の負担が一方に偏らないよう、パートナーと話し合って分担するのも大切です。
私自身の体験と今後の働き方
私は現在パートタイムで働いていますが、息子がもうすぐ小学校に入学します。
息子は発達障害グレーゾーンのため、友達とのトラブルや不登校の可能性もあり、学習面でも読み書きの習得がスムーズに進むか不安です。
忘れ物のチェックや宿題のサポートなど、日々のサポートが必要になるでしょう。
そのため、いずれは在宅でできる仕事に切り替え、息子の生活を支えながら、余裕を持って向き合える環境を作りたいと考えています。
自分らしい働き方を見つけよう
発達障害やグレーゾーンのお子さんを育てる中で、仕事との両立に悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
現在は働き方の選択肢が増え、家庭の状況に合わせた柔軟な働き方が可能になっています。
お子さんの成長を見守りながら、親も自分らしい生活を楽しむために、無理のない働き方を取り入れてみませんか?
育児と仕事の両立は簡単ではありませんが、一歩ずつできることから始めましょう。
あなたの努力が、お子さんにとっても大きな安心につながるはずです!
発達障害グレーゾーンでも大丈夫!子どもと明るい未来を描こう
私自身「この子は他の人とコミュニケーションが取れるのだろうか」「自立できるのだろうか」と、時おり不安に襲われます。
6歳を迎える今、3〜4歳の頃のひどい癇癪に比べると、息子のできることが増え、自分の気持ちを言葉で伝えるのも上手になってきました。
「育てにくい息子を、一体どうしたらいいのか…」と私が悩んでいるうちに、息子は少しずつ成長していきました。
成長していく息子とともに、私もひとつひとつ、できることから取り組んで前を向いて生きていきたいと思っています。
あなたも、お子さんと一緒に成長していきませんか?
心配しなくても、きっと大丈夫です。
どんな道を選んでも、お子さんが幸せに、自分らしく生きていける未来は必ずあります。
あせらず一歩ずつ進んでいきましょう。